フィリピン最大の銀行の一つとして知られているUnionBankが同国初となる仮想通貨ATMを開発したことがわかった。

この仮想通貨ATMは世界的に普及しているビットコインATMとは異なり、フィリピン中央銀行の規制に準拠しており、今後フィリピン国内にて大きく拡大していく可能性を秘めている。

このATMプロジェクトはフィリピンの規制サンドボックス制度を利用したプロジェクトとなっており、フィリピン中央銀行であるBangko sentral ng pilipinasとの協力によって進められている。

サンドボックス制度と言うのは現行の法律の規制を一時的に止め、特区内にて新技術を実証できる制度であり、日本国内においてはドローン飛行や自動運転の実証実験にて公道で実用できるかといった検証などに用いられている。

今回のフィリピンでの仮想通貨ATMに関してもまずは主要都市にて行われ、実証していくことだろう。

具体的にどの仮想通貨を取引できるかは明らかにしていないが、仮想通貨と法定通貨の取引が可能な2WAY(双方向)タイプの仮想通貨ATMとなっていることが判明しているため、同ATMを導入する事により仮想通貨の使用を望んでいる多くの顧客に対して要望を応えることができるだろう。

また、仮想通貨ATMによって期待されている事に国際送金における大幅なコスト削減がある。

国際送金市場においてフィリピンはインド・中国に次ぎ、3番目に多くの送金を行っており、国際送金に仮想通貨を用いることで送金時間や送金手数料などの問題を改善できると期待されている。

2017年に国外からフィリピン国内に約326億ドル、日本円にして約3.6兆円もの金額が送金されており、国際送金を仮想通貨に代用した場合に膨大な額のコストを削減できると期待されている。

一方、フィリピンの中央銀行は仮想通貨の不支持を表明しており、その理由として支払いや送金などの金融サービスに仮想通貨ATMが使用された場合に規制を適応するべきだと説明している。

今後、規制の範囲内で認められた仮想通貨ATMが普及されれば、仮想通貨ユーザーも確実に増えていく事だろう。

参考:Chepicap