サウジアラビアおよびアラブ首長国連邦(UAE)の6つの商業銀行が、デジタル通貨プロジェクト「Aber」に参加したことが明らかになった。5日、サウジアラビアの主要金融ニュースメディア「Argaam」が報じた。

UAE、中央銀行(UAECB)、そしてサウジアラビア通貨庁(SAMA)は先月29日、共同で開発を進めている銀行間取引のためのデジタル通貨名を「Aber」とすることを発表した。

今回Argaamが報じたレポートによると、UAECBは、サウジアラビアとUAEの2国間の金融決済にこのAberを利用し、両国の一部の銀行のみで試験的な導入を行うという。同プロジェクトは、今後12ヶ月の間に実施される予定となっている。

さらに、通貨の正式な発行は概念実証(proof-of-concept:PoC)の結果次第とされており、SAMAとUAECBは、通貨の実用化の実現可能性を見てから決定することになるということだ。

2国は先月、ブロックチェーン技術の開発をよりよく理解することを目的とした共同暗号通貨開発に協力することに合意したことを発表したばかりだ。昨年10月には、公共料金の支払いにUAEの法定通貨に裏付けされてたデジタル通貨「dirham」を使用する予定であることも明かしている。

ブロックチェーン技術を利用した小切手登録制度など、昨今は仮想通貨技術の導入に積極的な姿勢を示しているUAE。独自のデジタル通貨発行を検討している国は近年増えているが、実現に一番近いのはこの国か。今後の動向に注目したい。

参考:Argaam