コンセンサスアルゴリズムにPoW(Proof of Work:仕事の証明)を用いているブロックチェーンでは、全てのマイナーが自己の利益のためにマイニングを続けている間は、最も多くブロックが繋がっているものが正しいチェーンであるという前提に成り立つ仕組みであるが、特定の集団が全体の計算量のうちの51%を超えてしまうと話が変わってくる。

例えば多数決を思い浮かべてみれば、各々が1票ずつしか持っていないからこそ集団全体の共通した意思を表すことができるものであり、そのうちの誰かが半数以上の表を手にしてしまっては、全体の意思を正しく形成出来ているとは言えない仕組みになってしまう。ブロックチェーンにおける過半数の計算量を有する特定集団による攻撃は「51%攻撃」と通称されている。

ビットコインやイーサリアムといった利用者数の多い暗号資産においては、可能性としては示唆されているものの実際にそれほどの計算力を手に入れる集団は現れないであろうと言われていた。しかし、2016年にイーサリアムからハードフォークしたイーサリアムクラシックで51%攻撃が確認されたと暗号資産取引所大手のコインベースが発表した。

現在コインベースではイーサリアムクラシックの送受信を一時的に停止しており、安全性を確認中とのこと。51%攻撃は台帳を破壊するものという誤解もあるがトランザクションの有効性を作為的に選択する攻撃のため、秘密鍵の漏洩していない他人のアドレスから出金することは出来ず、過去のトランザクションの改ざんに至っても必要な計算量が膨大に膨れ上がることから、現状は新たな取引さえしなければアドレス内の資産がなくなるということではない。

51%攻撃を受け得る銘柄である不安材料が表出したものの現段階ではマーケット上では大きな値動きは見られない。

また、袂を分かったとは言えイーサリアム本体(ETH)のメインネットへは来週次期アップデートであるコンスタンティノープルが準備されており、イーサリアムコミュニティの方は順風満帆だ。

イーサリアムクラシックとしてもコミュニティを発展させていきたい時期だけに逆風でブレーキが掛かるか、それとも逆境を跳ね返す策があるのか見届けたい。

参考:The Coinbase Blog