ビットコインは2014年、有名企業による決済手段としての導入や、関連ビジネスの起業が相次ぎ、一般化へと大きく動き出した。同年にはMt.GOX事件も起こり一躍世界にその名を知らしめた年でもあった。

2014年以来、中央銀行が発行するデジタル通貨、つまり法定デジタル通貨(CBDC)も実現へ向けてより議論されるようになってきた。現在、国際決済銀行(BIS)や国際通貨基金(IMF)といった機関を中心に議論は行われており、国際送金など法定通貨が抱える課題の解決策として注目が高まりつつある。

先月には、カナダ、英国、シンガポールの中央銀行が「国境を越えた支払いや決済におけるリスクを軽減する」としてCBDCを肯定するコメントを発表。仮想通貨に対しては度々慎重な姿勢を示してきた国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事も「デジタル通貨発行の可能性も考えるべきだと信じている。」とコメントするなど、CBDCを受け入れる姿勢が多方面で見られ始めている。

しかし、CBDCがどんなに画期的な通貨であっても、過去の歴史を振り返ってみると、消費者が新しい決済革新を採用することはしばしば困難とされてきた。現金、クレジットカード、または携帯電話の使用による支払い習慣が国によって異なるように、匿名性、手数料または利払いに関する地域別の消費者の好みは、実際に使われてきている"現金"が持っている示威行動によるところが大きい。

新技術は確かに格好良く見えるが、採用までの道のりは険しいものである。歴史を振り返ってみれば、消費者が望んでいたものと合致せずに衰退していった"支払いの革新の失敗の破片"が多く存在する。

ただ、一部の地域では現金収入が増加しているにもかかわらず、世界的には消費者はデジタル決済を利用する流れになってきている。既存の金融市場インフラストラクチャーの上にデジタルソリューションを構築することで、今の所民間セクター主導の小売レベルの支払い革新は実現しているのも事実だ。

いくつかの地域に存在する既存の支払い基盤は、相互運用性とアクセスの制限と複雑さにつながる可能性もあるが、慎重に計画された信頼できるアーキテクチャを採用すれば、中央銀行が発行する資金を基盤とするプラットフォームの将来的な革新は、現在民間部門の取り組みでは不十分な部分を埋めてくれる可能性もある。

すでに有効な決済インフラが存在していれば、既存のインフラと共通点が多いデジタル法定通貨はリスクになり得る。しかし、特定のタイプの地域の特定のタイプの消費者にとっては、必要性が高いものとなる可能性もあるだろう。

参考:CoinDesk