オープンソースのブロックチェーンプラットフォームHyperledgerは、「Ursa」と呼ばれるモジュール化された共有暗号ライブラリをリリースした。

Hyperledgerは、オープンソースを通じた大規模イノベーションの実現に取り組む非営利団体「The Linux Foundation」が率いるオープンソースのブロックチェーンプラットフォームだ。

同団体によると、Ursaは主にプログラミング言語Rustで書かれており、Hyperledgerの最も一般的な言語をサポートしながら、暗号化コミュニティにモジュール化とAPIを導入するという。Ursa暗号コードのほとんどまたはすべては、暗号専門家によってレビューされる単一の場所に保管される。このツールは、開発の重複を減らし、ブロックチェーンの開発をスピードアップし、オープンソース開発コミュニティの効率を改善することが期待されている。

「Ursaを作成する私たちの目標は、Hyperledgerコミュニティのすべてのセキュリティと暗号化の専門家の努力を組み合わせ、すべてのプロジェクトを推進することです。」

Hyperledgerによると、Ursaはモジュール化とAPIであり、ブロックチェーンプラットフォームは基礎となる数学を理解したり相互作用することなく、さまざまな変更可能な暗号アルゴリズムを簡単に使用できるという。Ursaには次の2つのモジュールがある。

・モジュラーで標準化された基本的な暗号アルゴリズムのための1つのモジュール。

・スマートシグネチャやゼロ知識プリミティブのような「よりエキゾチックな」ブロックチェーンテクノロジに関連するzmixと呼ばれるもう1つのモジュール。

Hyperledgerは現在、制度上および商業上の用途でますます人気が高まっており、ロシアの主要銀行であるSberbankは、Hyperledger Fabric Platformでスマートコントラクトを結び、店頭でのOTCの為替先買条件を締結するなどしている。

また、11月にはフランスの小売大手Carrefourは、スペインのネットワークにHyperledgerに基づく食品追跡プラットフォームを導入し、抗生物質なしで飼育された放し飼いのニワトリを追跡するために使用している。

Hyperledgerを用いる企業は、その仕組みを信頼できる限り、チェーンに参加する他社を信用しなくてもデータを信用できる。今後Ursaによってオープンソース開発が容易になっていけば、新しいプロジェクトなども順調にスタートしやすくなっていくだろう。

参考:CoinDesk