仮想通貨の歴史を語る上で、DigiCashの存在は欠くことができないだろう。DigiCashとは、1990年にコンピューターサイエンティストであり暗号研究家のDavid Chaum氏が立ち上げた会社で、匿名の通信及び通信の暗号化を目指した最初の企業と言えよう。

Chaum氏はビットコインが誕生する約20年も昔にデジタル通貨の概念にアプローチしており、まさにインターネット暗号技術の先駆者とも言える人物だ。

現在63歳のChaum氏は、Elixxir(エリクサー)と呼ばれる新しい仮想通貨プロジェクトを立ち上げており、ネットワークの分散化、ブロックチェーンのセキュリティ、およびトランザクション処理速度など既存のブロックチェーンの課題解決に焦点を当てている。

今年初めに公開されたウォールストリートジャーナルのインタビューでは、Elixxirの技術革新はブロックチェーン採用のゲームチェンジャーだと主張し、「私が作ったブレイクスルーは、ゲーム全体を変えることになるでしょう。実際、消費者へ提供できる基準を満たすことができるでしょう。」と語った。

具体的には、Elixxirはトランザクションをブロックに集約し、次に検証ノードによって処理するという従来のブロックチェーンモデルの逆を実装した。Chaum氏によれば、取引のバッチ処理に先立ってブロックが生成されることで、ネットワークが大規模であっても迅速に決済を処理できるようにできると説明した。

Chaum氏の高い期待に応え、十分な地方分権を達成するかどうかはまだ不明だが、ElixxirへはRippleの共同創業者であるChris Larsen氏といった大物や、シンガポールを拠点とする投資会社のH&D Company Pteといった大企業が投資しているのも事実だ。

Larsen氏は「Chaum氏は、デジタル分野で約40年間プライバシーを擁護してきました。私はElixxirの初期の支持者であることを誇りに思っており、この対顧客のブロックチェーンが、何百万人もの人々の日常生活における安全を確保するための扉を開くのを楽しみにしています。」とも語っており、プロジェクトへ期待を寄せている。

参考:CCN