アメリカ合衆国議会議事堂で行われた聞き取りにおいて、上級経済アドバイザーとしてクリントン政権に貢献し、アジア通貨危機や世界金融危機の解決に助力した実績を持つアメリカの経済学者であるヌリエル・ルビーニ氏がBitcoinを全ての詐欺の母(mother of all scams)と言及した。

ルビーニ氏の会社Roubini Global Economicsはウォール・ストリート・ジャーナルやフォーブス、ブルームバーグと言ったメディアの経済記事の重要な情報源の一つとして知られる。

ルビーニ氏はまたBitcoinのみならず、ブロックチェーンに対しても“the most over-hyped — and least useful — technology in human history”、つまり人類史において最も大げさに宣伝された、最も役に立たない技術であるとも熾烈な批判を重ねている。

事実として最も高騰していた時期と比べればBTCの価値は65%ほど失われてしまっており、金融リテラシーの低い人々を巻き込み混乱をもたらしたことは記憶に新しい。これをもって詐欺と断ずるには少々言葉が強すぎるが世界有数の経済学者の挙げる注意喚起として重く受け止めるべきであろうか。

ブロックチェーンを最も役にたたないというのも敢えて大げさな表現を選んでいるようにも感じる。“実際にはスプレッドシートやデータベースよりも優れているわけではない”と補足が入っているように、過大評価であるという点を打ち出したかったのだろう。

あくまで非中央集権による共有データの管理の実現手段といったように、限定的条件下での使用法以外に全てのデータベースを置き換える存在のように誇大表現を使われることもなくはないためそういった意味で注意が必要だ。

一方で、ワシントンに拠点をおくCoin Centerの研究ディレクターであるピーター・ヴァン・ヴァルケンバーグ氏曰く、たしかに決済方法として広く受け入れられているものではないものの、電子メールが歴史的に進歩を遂げてきたように、今のブロックチェーンはコンピューターサイエンスにおける一つのブレイクスルーとして重要な意味を持つと述べた。

参考:CNBC