リップル社は1日、同社主催の大型カンファレンス「SWELL」の中でデジタル・アセットXRPを使用する製品であるxRapidを3社が商用利用していることを明らかにした。

xRapidは、クロスボーダー決済の際にXRPをブリッジ・カレンシーとして使用するソリューション。これによりXRPの流動性を高め送金コストを削減し、送金スピードを向上させることが可能だ。

このxRapidを利用しているのはMercuryFX(英国)、Cuallix(メキシコ)、およびCatalyst Corporate Credit Union(米国)3社。SWELLの初日にリップルのCEOである、Brad Garlinghouse氏によって発表された。

Cuallix、MercuryFXの2社は以前、xRapidを使ってパイロットしていることを発表していており、かねてから実用化に向け期待しているコメントをしてきた。

今回、xRapidを商用利用するにあたって、 CuallixのCFOである、Nicolas Palacios氏は以下のように述べた。

「デジタルアセットは、より速く、効率的な支払いを常に行ってきました。ですので弊社は金融サービスプラットフォームPayllixとCualletのためにxRapidを強く求めていました。これは、マイクロペイメントを簡単かつ迅速にメキシコに送ることに頼っている顧客を支援するためです。今、弊社の顧客はそれを実現することができます。」

また、MercuryFXの創業者でCEOである、Alastair Constance氏は以下のように述べた。

「MercuryFXはRippleNetのパワーを顧客にもたらすためにリップルと1年以上の間緊密に連携してきました。パイロットテストでは、xRapidのメリットを確認することができました。この四半期に商用利用を展開することに興奮しています。遅くて高い送金システムから今、置き換えられます。」

Catalyst Corporate Federal Credit Unionは、主に米国の西部および南西部において約1,400もの信用組合に金融サービスを提供しており、リップルの新しいパートナーである。同社の上級副社長兼COOである、Brad Ganey氏は以下のように述べた。

「伝統的な国際送金の体験は、価格、スピード、使いやすさの観点から今日の期待に応えることができません。ブロックチェーン技術、特にリップルのxRapidは、これら3つの課題を同時に解決します。弊社子会社の技術プラットフォームを通じて、デジタルアセットXRPを活用し、1,400以上のメンバーを有する信用組合に代わって瞬時に国境を越えて資金を送金します。弊社はすでに契約を締結し、現在計画を立てています。」

現在xRapidをパイロットしている企業は、Western Union、MoneyGram、Cambridge Global Payments、Viamericas、IDTなど、他の多くの企業が次のステップへと準備を進めている。

リップルは、最終的にノストロおよびボストロアカウント(銀行が事前に用意しておく現地通貨用の口座)を含む国境を越えた支払いのためのインフラストラクチャを置き換えることをIoV(価値のインターネット)の目標としており、xRapidの利用を拡大させていくことで、それを実現させることが可能だ。

先月、10月中にはxRapidの実用に関する良いニュースが聞けると、アジア・太平洋および中東地域におけるリップルの規制関係を担当するSagar Sarbhai氏は語っていた。今回のxRapid商用利用のニュースはまだ序章に過ぎない。今後のリップルの展開から目が離せない。

参考:Ripple