トルコのボルサ・イスタンブール(BIST)は、ブロックチェーンを基盤とした顧客管理のシステムを開発したと6日、DAILY SABAHが伝えた。

BISTは、イスタンブール証券取引所とイスタンブール・ゴールド取引所、トルコデリバティヴ取引所が合併した結果、2013年に創業した、トルコにおいて中枢的な証券取引所である。BISTの2017年の年次報告書によれば上場企業は399社、時価総額は計1,330億ドル、取引高は1兆ドルにも達する。

この開発により、ボルサ・イスタンブールの顧客データベース、イスタンブール証券取引所決済カストディ銀行、中央証券保管機関が同期されることになり、システムのスリム化を実現することになる。

KYC(顧客確認)のコンセプトに基づき設計された新しいプラットフォームは、新しい顧客の追加や文書を管理し情報を編集する。もし必要があれば、別のプロジェクトにも応用することも可能としており、柔軟性にも富んでいる。

最近では、トルコリラが通貨危機を受けている背景から仮想通貨取引所の取引高が急増することもあって、ビットコインがトルコの通貨危機の避難先になっている。また、イランにおいては更なるビットコイン高騰を見せていることもあり、世界的に日本以外でのビットコインの需要は伸びている。

トルコ国内においては通貨危機を乗り越えるためにもブロックチェーン技術によるコスト削減、セキュリティの向上は急務であり、今回の実現で市場関係者にとっては、希望を見い出した形になったであろう。

今回のブロックチェーン導入以外にも、トルコ国内においては積極的に取り入れる方向となっており、8月初旬にはトルコ国内初の大学レベルでのブロックチェーンセンターを立ち上げ、同技術の専門性のギャップを埋め実装を促進している。

さらに、国が発行するデジタル通貨(CBDC)の開発の他に宗教局ではビットコインはイスラム法に準拠していると受け入れ、積極的な姿勢を示している。

自国通貨が危機にさらされているトルコだが、ブロックチェーン技術の浸透により経済が活性化されるだろうか。

参考:DAILY SABAH