23日、米国特許商標庁(USPTO)の発表により、米国で2番目に大きい銀行であるBank of America(BoA)がブロックチェーン技術に関連する特許を申請したことが明らかになった。

BoAは、2014年にも「Cryptocurrency Online Vault Storage System(仮想通貨オンライン保管システム)」の特許を申請しており、今回申請されたものはその拡張版と見られている。同銀行はすでに約50件にもおよぶブロックチェーン技術に関連した特許を申請しており、その多くは、仮想通貨サービスを企業の中核業務に統合するための枠組みであるとされている。

しかし、その約50の特許のうち8件の特許発明者であるMichael Wuehler氏は、自身のTwitterアカウントにて、それらは根本的に“無意味”なものであり、銀行をフィンテック市場における革新者のように見せるだけのものであると語った。

「約50件の特許のうち、8件に私の名前が記載されているが、私の見解からは、プレスリリースやイノベーションの公共認識である以外は、全く意味のないものであると思っている。」

ビジネス特化型SNSのLinkedInに記載されているWuehler氏のプロフィールによると、彼はBank of Americaに11年以上務め、senior vice president(副社長)として事業を推進してきた。また、イーサリアムの共同設立者であるJoseph Lubin氏によって設立されたイーサリアムの開発スタジオであるConsenSysに加わるために、2016年に上級副社長として任命。

その後は、分散型アプリケーション(DApp)の開発者がプラットフォームを拡張するのを支援するブロックチェーンインフラストラクチャを提供するConsensysの支援プロジェクトInfuraを共同設立した。Wuehler氏はまた、現在6,000人のメンバーが参加するグループ、Ethereum NYCの設立にも関わっている。

そんなWuehler氏によれば、BoAはブロックチェーン技術の特許出願をしてはいるが、仮想通貨に対しては敵意を示しているという。JPモルガンといった他の大手金融機関同様に、顧客に対しては同銀行が発行するクレジットカードでの仮想通貨の購入を禁止しており、また、BoAの子会社であるメリルリンチも、実際にビットコイン関連商品の投資信託の受付を停止している点からも、このことは明確だ。

仮想通貨を採用することは、同社のビジネスモデルに対する脅威になることを認めていながらも、Wuehler氏の言うようにBoAの特許出願がただのパフォーマンスだとするなら、仮想通貨に対しては依然として慎重姿勢を維持していることを示していると言って良さそうだ。