フィリピンの中央銀行、BSPは、中央銀行発行のデジタル通貨CBDC発行の可能性を調べていることが分かった。7日、Business Worldによって伝えられた。

BSPのネストル・エスペニリャ総裁は最近、他国のCBDC発行状況や、地方金融システムへの影響についてBSPが調査していることを明らかにし、特に信用供給と金融システムへの影響については徹底的に検討しているという。

スイスを本拠とするクリプトバレー・アソシエーションのセシリア・チェン代表がフィリピンを訪問した際に、金融当局はブロックチェーン技術やデジタル通貨を利用する際の規制をまずは明確にすべきと述べた。

その内容は法的拘束力がある電子通貨を発行、評価するスピードは中銀それぞれ異なり、実際に発行するのはとても複雑と見ている。

その理由としてマネタリーポリシーをどのように実践するかの問題と指摘し、実際に発行されれば、それはある決済システムで利用される可能性があり、そこも追跡する必要があると述べている。

さらに、フィリピン・ブロックチェーン・アソシエーションのジェスト・オーティンズ代表はフィリピンが仮想通貨を発行すれば、広範な利益になりうると述べ、カナダ中銀はCBDC発行により、現金が減りマネタリーポリシーの実行を改善し、取引を電子化する目標を持っていると述べている。

現在、フィリピン以外の諸国では、エクアドルやセネガル、ベネズエラやマーシャル諸島が、合法的な決済手段として仮想通貨を発行する方向へ既に動いている。

フィリピン中銀は仮想通貨取引所や法定通貨のペソとデジタル通貨をブロックチェーン基盤のプラットフォームを通じて交換する事業者の規制に乗り出しており、また、証券取引委員会はイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に関するガイドラインの草案を最近発表している。

今回はフィリピンでの話題として上ったが、CBDC発行を実際に行う国が現われ、良い方向に実証されていけば確実に他の諸国も導入に向けて前に進んでいくだろう。

参考:Business World