ブロックチェーンと人工知能(AI)を活用したグルメ版SNSアプリ、シンクロライフを提供するGINKANは2日、飲食店のレビュー投稿者に対するトークン報酬システムを導入したアプリのβ版を公開したと発表した。

同社によれば、レストランのレビュー領域にトークン報酬制度を導入するのは世界初めてという。

シンクロライフは、ユーザ各人の食の価値観をデータベース化し、AIを活用して好みの飲食店探しをサポートする。新バージョンでは、このプラットフォームにトークン報酬と仮想通貨ウォレット機能が追加された。

飲食店のレビューを投稿したり、情報の作成や翻訳をしたりすると、ユーザーはトークンであるSynchro Coin(SYC)を報酬として貰える。

ユーザーのレビュー貢献度は独自のアルゴリズムで分析し、質の高いレビュー投稿者に対しては、SYCをインセンティブとして付与し、不正なレビューを抑制する仕組みを作った。

今後は、イーサリアム(ETH)など他の仮想通貨もシンクロライフのウォレットに対応させ、またコンテンツ制作によるSYC付与のほか、加盟飲食店を利用した時に飲食代の一部をSYCで還元する仕組みや、SYCと食事券との交換、飲食代金をSYCで支払えるサービスを導入し、トークンエコノミーを形成していく。

シンクロライフの香港法人は、昨年9月にICO(イニシャル・コイン・オファリング)を実施し、755ETH(約5,000万円)を調達した。

神谷知愛CEOによれば、ICOの準備として、中国のマーケットを中心にコミュニティ作りやメディア露出によるプロモーションをしていたが、実施予定日の1週間前に同国政府によりICOが禁止され、調達目標額は集まらなかったと言う。

現在日本でも実施できず、詐欺プロジェクトが散見されるなどの問題もあるが、神谷氏は、今回のような限られた資金でもサービスをしっかりとローンチ出来ることを証明し、次のICOをやりたいと意気込んでいる。

今回の件を通し、レビュー分野においても少しずつ仮想通貨が浸透することも考えられるが、世間一般に定着するには時間がいるかもしれない。今後の展開に期待したい。

参考:PR TIMES