仮想通貨市場に新たに大手金融機関が参入する事で市場がさらに盛り上がりを見せる可能性が出てきた。

世界最大規模の金融グループ、Northern Trust(ノーザン・トラスト)が仮想通貨関連のサービスを提供するとともに、ブロックチェーン技術を自社の業務に統合していくことを計画している。

ノーザン・トラストは米国・シカゴに本社を構えており、全米の総収入ランキングであるフォーチューン500の486位にランキングされている世界最大規模の金融グループとしても知られている。

同グループの拠点は世界中の84地域に点在しており、保管・管理している資産の額は1,000兆円にものぼると言われている。

1889年に設立されたノーザン・トラストは、129年もの間で築き上げてきた信頼と歴史を持っており、機関投資家や高額個人投資家などの世界でも特に多くの資産を保有している富裕層の人々を顧客として抱えている。

フォーブスの報道によれば、ノーザン・トラストは仮想通貨ヘッジファンドに対しサービスを提供しながらも、自社業務にブロックチェーン技術を統合するとされている。

この他にも、同社が以前から主要な3つの仮想通貨ヘッジファンドとも提携し、仮想通貨投資をポートフォリオに追加していたことも明らかになっている。

今のところ同社は、仮想通貨を直接保有しているわけではないとしており、それらの投資商品に興味を持っているヘッジファンドや機関投資家に対し、アンチ・マネーロンダリング(資金洗浄対策)に関するアドバイスや、投資価値の割り当て、第三者からのカストディ(資産の保管・管理)の認証といった資産管理サービスを提供すると説明されている。

フォーブスのインタビューの中で、ノーザン・トラストの社長であるPete Cherecwich氏は、米国政府へブロックチェーン技術に慎重な姿勢で取り組んではいるものの、法定仮想通貨が発行される事も視野に入れて準備を始めていると語っている。

同社では昨年からHyperledger Fabricの企業向けブロックチェーンに複数の改良を加えており、いくつかの新機能を追加し、新たな専門チームによってさらなる開発も進めている。

今回、巨大金融グループが参加する事で仮想通貨市場にとっては好材料になったことは間違いないだろう。

参考:Forbes