米証券取引委員会(SEC)は26日、マーク・ザッカーバーグ氏とFacebookの権利を争ったことでも知られるCameron Winklevoss氏とTyler Winklevoss氏のWinklevoss(ウィンクルボス)兄弟が申請していたビットコインETF(上場投資信託)を却下すると発表した。

Winklevoss兄弟は昨年も申請を行ったが、2017年3月に一度却下されており、今回は二度目となった。

Winklevoss兄弟がビットコインETFの上場申請先として選んだのはBats BZX取引所だ。提案は、Winklevoss Bitcoin Trustのコモディティベースの株式をリストして取引するという内容だったが、26日の委員会によって3-1で棄権された。

却下した理由として、「独占的に操作に抵抗している」という点と「詐欺と投資家保護の問題」が強調された。SECはまた、今回の判断はビットコインやブロックチェーンの技術やそのイノベーション、そして投資として価値を持っているかどうかを否定しているということではなく、あくまでBZXは不正操作やセキュリティ面においてSECが求める水準に達していないということを説明した。

SECは今年1月に、スポンサーが投資家に資金を提供する前に投資家保護の問題を審査する必要があることをを指摘した文書を発表しており、仮想通貨に基づくETFの承認についてはまだ慎重な姿勢を見せている。また、ビットコイン全体の3/4以上が米国外で発生している点や、約95%が米国以外の規制されていない取引所で発生していることを懸念し、流動性の低さなどを指摘した。

Winklevoss兄弟が提出していたビットコインETFの他にも複数の申請書が提出されており、他にはVanEckのSolidX Bitcoin Trustなどがある。この申請は既に昨年末からビットコインの先物取引を扱っているシカゴオプション取引所(CBOE)が提出したものだが、こちらもSECに申請を取り下げられている。こちらのアプリケーションに関しては今回SECからのコメントは無かった。

この発表の後にビットコインの価格は大きく下落しており、Coinbaseのデータによると、ビットコインの価格は3%低下し、一時7,800ドルとなった。

30日現在は8,100ドル前後を推移しており、今後、大手などによる別の形式でのETFが承認されれば強気相場が来るといった予測も増えている。時価総額1位の王として、また、基軸通貨として機能し仮想通貨市場全体を引っ張っているBTC、今後の相場動向から目が離せない。

参考:CNBC