自民党の有志議員が、仮想通貨交換業者を金融商品取引法(金商法)の対象とする法改正や、投資家保護のあり方なども検討する「新型通貨の適正利用を考える議員連盟」を設立したことが分かった。16日、読売新聞によって伝えられている。

同議連の会長には竹本直一衆院議員が就任するとし、仮想通貨が金商法の対象になれば、仮想通貨は金融商品となり、ビットコインを使ったETF(上場投資信託)などデリバティブ(金融派生商品)を金融機関が取り扱う可能性が出てくる。

また、税制面においては、雑所得から分離課税になる可能性も考えており、仮にそのようなことになれば個人投資家の参入が増えて仮想通貨市場の拡大が期待できるだろう。

金融庁による規制の強化、ルール作りが仮想通貨取引に求められている状況だが、今回の件が実現されれば、仮想通貨は資産クラスとして確立され、世間に対しさらに地位を固めることにもなる。

一方では、仮想通貨取引所を運営しているのはベンチャー企業が多く、証券会社と同様の基準を求められるとなると、事業継続のハードルが高くなることも考えられる。

今年においては1月下旬のコインチェックが起こしたNEM(XEM)不正流出事件後に、金融庁は相次いで仮想通貨交換業者の立ち入り検査を実施し、その結果、交換業者を規制する改正資金決済法に反し、会社の資産と顧客を分別管理していなかった例などが明らかとなった。これは、資産を預かる企業としては到底考えられない杜撰な扱いと言えるだろう。

自民党有志らはまず現状の金商法に連携をさせて、投資家の安全を確保する事で仮想通貨取引での不安を解消する狙いがあると思われ、先日、金融庁に登録済みの仮想通貨交換業者が自主規制に向けて新団体を設立したことが話題に上ったが、この新団体がその辺りをどのように適応するかにも今後見る必要がある。

議員主導か、もしくは自主規制団体主導のルール作りになるかによって今後仮想通貨市場に与える影響も異なってくると考えられる。

参考:読売新聞