米国小売大手であるウォルマートが、ブロックチェーンを活用して安全に配送するシステムの特許を申請したと5日、米国特許商標庁(USPTO)が公開した。

ウォルマートが新たに申請した特許は「配送指定装置と方法」で、ロッカーに商品を安全に配送し、購入者が取り出すまでに保管するブロックチェーンベースの管理システムとなっている。

ブロックチェーン指定のシステムは、どのロッカーが空いており、もしくは閉められているかを追跡するシステム実施形態のために提案されたものとなっている。

このシステムの中心となるドッキングステーションの各ベースは、各々の容積単位の取引がレッジャー上で追跡され、どのドッキングステーションに容積の空きがあるかを示し、その空き容積を予約して、配送のために使われるのを示す仕組みとなっている。

出願書によれば、それぞれのドッキングステーションは、ブロックチェーン上のノードとなり、パブリックレッジャーを頻繁に参照しながら、システム内の空きや予約の有無を公開記録とする。

以前、ウォルマートはブロックチェーンを使ったスマート小包という特許出願をしており、内容は荷物の中身や環境のコンディション、場所やその他の詳細など広範なデータを追跡するものとしている。

ウォルマートは様々なブロックチェーンを使った様々な特許出願をしており、最近では食料品サプライチェーンの世界で動きを追跡するために、IBMと提携している。

さらに4月にはウォルマートはフード事業においてブロックチェーンを活用していくと発表しており、このほか、同社はブロックチェーンを使った医療品追跡や消費者の再販マーケットプレイス、仮想通貨を使ったエネルギー消費管理システムに関する特許も申請している。

ウォルマートはまず、ブロックチェーンによりコスト削減を目指すものとしており、これが順調にシステム全体を効率よく動かす流れを生み出すのであれば、他の小売企業もブロックチェーン導入に向け、動きだすことも考えられるだろう。

参考:USPTO