ロシアの大手決済サービス会社である、キウィ(Qiwi)の子会社であるキウィ・ブロックチェーン・テクノロジーズ(QBT)が、仮想通貨投資銀行「HASH」を立ち上げたことが分かった。6月29日、Kommersantによって伝えられている。

Kommersantによれば、HASHは古典的な投資銀行モデルに沿って構築されているとされ、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)のプラットフォームを提供するとしている。

QBTのヤコフ・バリンスキー最高財務責任者(CFO)は、HASHは資金調達段階において企業をアシストすると説明している。

HASHは仮想通貨への投資に特化した国際的ファンドを取り組む計画としており、バリンスキー氏は、同社はすでに10社のファンドと協業しており、そのうち最大のファンドの売上高はおよそ1億ドル、日本円にして約111億円にものぼる。

バリンスキー氏はさらに、HASHはライセンスを取得した後に、仮想通貨の取引サービスを来年から提供すると述べている。また、ロシア政府は今月までに、仮想通貨とブロックチェーン関連の主な規制の法制化を目指しているため、法整備がされ次第、サービス開始のタイミングが明かされると見られる。

キウィは2007年にモスクワで創業され、今ではロシアの大手オンライン決済サービスに成長しており、主にロシアやウクライナ、カザフスタン、モルドバ、ベラルーシ、ルーマニア、米国、アラブ首長国連邦にて操業している。

同社は最近実施された、R3コンソーシアムによる顧客確認のためのKYCアプリケーション試験に参加した39社の国際企業の一つでもある。

キウィの子会社であるQBTは、国内ブロックチェーン製品の開発を目的に、昨年の3月に1億ルーブル、日本円にして約1億8,000万円の資金で設立された。

昨年7月には、IT教育のスクリーム・スクールと提携しており、将来のブロックチェーンエンジニアを確保するために、民間のブロックチェーン・アカデミーを開講している。

また、ロシア政府は技術革新に積極的で、ブロックチェーン先進国としても知られている。最近では国立大学の卒業証書をブロックチェーン上に記録するシステムを発表した。ロシアにおいて、今後さらに仮想通貨取引が活発になることであろう。

参考:Kommersant