フィリピンのリサール商業銀行(RCBC)が、ブロックチェーンを活用し日本からフィリピンへ送金するサービスを計画している事がわかった。20日、BusinessWorldによって伝えられている。

BusinessWorldによると、日本の金融機関とパートナーシップを組んで行う方向で検討していることをRCBCの関係者が明らかにしたという。

RCBCでファースト・シニア・バイス・プレジデントを務めるマニー・T・ナルシソ氏によれば、この事業はIBMの世界規模のブロックチェーン・パイロット事業の一部として行わるとしており、日本で働くフィリピン人を対象とし、母国フィリピンへ送金する際に使ってもらうという。

現在、日本で働くフィリピン人労働者数は、10万6,533人と中国とベトナムに次いで3位となっており、フィリピン自体、国民の約1割にあたる1,000万人が海外に出稼ぎに出ており、国内総生産の1割がこれによるものと言われている。

日本国内の少子高齢化と人口減少を受けて、介護や家政婦などの雇用が今後拡大することが予測されている事で、今後RCBCが送金事業を展開したいのであれば、取り扱う送金額が拡大している事もあり、期待は大きいと言える。

さらに日本にいる外国人労働者は、このサービスによって送金をより早く、そして安く、手数料を低く、使うことができるようになるとし、ブロックチェーンを使うことでSWIFTネットワークを使う必要がなくなり、より安価に送金サービスを提供できるようになると言う。

RCBCは、日本がアジアにおける最大の送金元であると指摘し、フィリピンの中央銀行のデータによれば、日本のフィリピン人労働者による送金は、4月で1億7,443万ドルも達している事から、今後更なる拡大も考えられる。

ナルシソ氏は、この技術により日本で働く外国人労働者にサービスを提供したいと思っており、日本の2つの銀行(関西アーバン銀行・みなと銀行)との間でパートナーシップを結ぼうとしているとも述べた。

またRCBCは、りそな銀行とすでにパートナー提携をしており、最初に利用するのは、りそな銀行を検討しているとも明らかにしている。大手銀行にとってサービス拡大に結び付く話であるために、実現はそう遠くはないであろうと予測できる。

参考:BusinessWorld