SEC(米証券取引委員会)の委員長であるジェイ・クレイトン氏は6日、仮想通貨の規則に関し、有価証券の構成要素について、従来の定義を変更すべきではないと発表しました。

クレイトン氏は、CNBCとのインタビューの中で以下のように述べました。

「長い間機能してきた有価証券の定義には、今回何らかの急性な変更を加えるつもりはない。」

「我々はこれまでずっとこれでやってきたが、この定義を変更する必要はない。」

SECとCFTC(商品先物取引委員会)は、数十億ドルの規模で成長中の仮想通貨市場に対する投資家を保護するために同市場に対する監視を従来通りのスタンスで続けるとしています。

しかしながら、仮想通貨市場はいくつかの市場をまたがっているので、連邦規制は複雑になっています。仮想通貨は、その特性にもよりますが株式や債券に似た証券と見なすこともできますし、コモディティや、希少価値資源や通貨とみなすこともできます。

例えばビットコイン(BTC)は通貨として使われる(法定通貨の代替になる)こともありますが、企業が資金調達のために行うICOではセキュリティトークンやユーティリティトークンなどに分類され、さらに細分化されることもあり、毎日のように発行され、今日では1,000以上もの数を数えるものを一つ一つ当てはめていくことは現実的ではないでしょう。

クレイトン氏とCFTCの議長であるJ・クリストファー・ジャンカルロ氏の両名は仮想通貨及び、そのオファリング(ICO)に関して、規制する立場として議会からの聴聞を受けています。また、仮想通貨のトレーダーたちは仮想通貨のオファーに関して、過度の規制はするべきではないが適切な連邦法の適用や適切な監督権限の設定が望ましいと述べています。

2017年後半にビットコインやその他の仮想通貨の価格が急騰した後、多数の仮想通貨関連の先物とデリバティブ商品の提案が相次ぎました。数十社の企業(正当な手続きを経て提供されたコインや不十分な準備のコインを含めて)は、ICOを通じて独自の仮想通貨を提供して資本を調達しようとしました。

ICOでは、ある企業が他の企業が株式を売るのと同じように、投資家に独自の仮想通貨を購入する機会を提供します。世のために技術開発を率先するスタートアップもありますが、比較して不正が多いのが現状です。

SECとCFTCは、不正な仮想通貨サービスと、連邦取引法に準拠していないものに対する監視に重点を置いています。彼らは、連邦法を嫌ったり、または潜在的な投資家を欺くトークンセールやICOを数多く排除するために協力してきました。

クレイトン氏は、SECはICOのルールを変更しないとも述べました。ジャンカルロ氏はICOに関心のある企業に対し、法的にどのように法を執行するかについてSECと協議するよう求めています。

ICOを行いたい企業を適切に管理をする上でクレイトン氏は以下のように述べました。

「ICOや株式を持っていてプライベートプレースメントで売りたい場合は、プライベートプレースメントのルールに従ってください。」

「トークンを使ってIPOをしたいのなら、私たちに会いに来てください。」

投資家保護の観点からも不正なICOに警告するなど、注意喚起をしてきたSEC。先日にはETHやXRPですら有価証券に該当するのではとの議論もされましたが、結論が出るのはまだ時間が必要でしょう。今後もSECやCFTCといった当局の動向から目が離せません。

参考:The Hill