英国とアイルランドのVISAで以前CEOを務めたMarc O'Brien(マーク・オブライエン)氏が、消費者向けの仮想通貨決済を目指しているスタートアップであるCrypterium(クリプタリウム)に参画したと20日、Business Insider UKによって伝えられています。

2008年~2014年までビザに勤めていたオブライエン氏は、仮想通貨の日常利用を促進する事を目指している消費者向け仮想通貨決済スタートアップ企業であるクリプタリウムに入社しました。同氏は仮想通貨を日常の決済手段に採用することの重要性について、以下のように述べました。

「毎日の支払い方法として使用するために、現在の暗号通貨では実際にはかなり難しいと考えております。あなたのビットコインやイーサリアムを交換しに行く場合は、通常の銀行口座にそのお金を支払う必要があるため、おそらく3~7日間かかるでしょう。クリプタリウムが行うことは、そのプロセス全体をシームレスにし、消費者が日常的な商品の支払いに実際に暗号通貨を使用する機会を与えることです。」

仮想通貨取引が世界的に活発になっており、規制やルール作りが国ごとに徐々に制定される中、まだ弱い面として仮想通貨の決済機能である事にクリプタリウムは目をつけ、前VISAのCEOが参画する事で決済での懸念や問題点、そして改善点をしっかり見定めることができると考えられます。質の高い決済サービスが出来上がることも期待できるため、仮想通貨業界全体として好意的な反応として捉えるべきでしょう。

クリプタリウムは2017年にエストニアで創業した会社で、昨年末にICO(イニシャル・コイン・オファリング)を通じ、5,200万ドル、日本円にして約58億円の資金調達しています。さらにBusiness Insiderによれば、同社は仮想通貨対応の決済カードを作るために、技術開発に取り組んでおり、今秋にその製品を発表することを目標としています。

仮想通貨を活用した決済アプリケーションなどは多々開発されていますが、クリプタリウムは世界中で決済手段として用いられているマスターカードとビザとの提携をしたい方向で模索していることもあり、これが実現されれば決済手段として普及が加速することも考えられるでしょう。

参考:Business Insider UK